チャイルドシートが横向き場合のデメリットとは?
車内での子供の安全を確保するチャイルドシート。
その中でも、特に新生児や幼児を対象としたベッド型や横向きのチャイルドシートは、一見、子供にとって快適に思えるデザインとなっています。
しかし、このようなタイプのチャイルドシートには、メリット、デメリットがあります。
今回はこの横向きチャイルドシートに関連するデメリットとメリットを考察していきます。
チャイルドシートが横向きのデメリット
よく指摘されるデメリットとしては、安全性への影響があります。
後ろ向きのチャイルドシートは 正面衝突した際に赤ちゃんの背中部分で衝撃を吸収し分散し、頭部はチャイルドシートにしっかり受け止められているため、首や負担をかけることはありません。
こうすることで赤ちゃんの身体を守っています。
それが横向きチャイルドシートで正面衝突した場合、赤ちゃんは前後ではなく横方向に衝撃を受ける形になります。
この時、頭や身体がきちんとベルトで固定され、なおかつパッドなどでうまく衝撃を吸収できる構造になっていないと、首や腰に横方向の力が加わり危険な場合があります。
また、意外と大きな影響が車内空間です。
ベッド型チャイルドシートは、乗せてみるとかなりの場所をとることがわかります。
ものによっては後部座席の幅を全て使ってしまうケースもあるようです。
その大きさから一部の車種やシート形状によっては正しく安全な取り付けができない場合があります。
不安定な状態では、安全性が大きく低下します。
横向きチャイルドシートのメリット
一方で、横向きのチャイルドシート、特にベッド型といわれるものは、比較的大きめなため、赤ちゃんや小さな子どもが横になって快適に長時間の移動が可能です。
また 横に大人が座れる空間があるのであれば、赤ちゃんを正面から見ることができ、赤ちゃんに安心感を与え、泣きやすい子も安定して過ごせることが期待されます。
最新の横向きチャイルドシート事情
メリットよりもデメリットの方が多く感じられますが、実はこれは過去の話になりつつあります。
特に安全性においては、昔は新生児の安全性を検証する方法が確立されておらず、ベッド型や横向きで安全性を高めるためのハードルがとても高かったのです。
現在では、解析やシミュレーション技術の発達により、新生児への安全性や安全な構造の検証を行うことができるようになりました。
また最新の安全基準であるR129の認証を取っているペット型チャイルドシートも出てきています。
安全性の面で見れば、横向きのチャイルドシートでも遜色のないレベルになってきているのではないでしょうか。
またベッド型の適用年齢は生後12ヶ月まで、身長で70cmまでと言われており、 使用できる期間が短いこともデメリットと言われておりましたが、 大手メーカーからはベッド型から後ろ向きの椅子型、 前向きの椅子型に スタイルチェンジできるチャイルドシートも出ています。
設計技術や解析技術の発達によって、 以前言われていたデメリットは解消しつつあると思います。
チャイルドシートの横向きタイプのデメリット【まとめ】
チャイルドシート選びには、さまざまな要素が影響します。
安全性はもとより、買って乗せてみたら車内に入りきらなかったということでは元も子もありません。
実際に目で見て触って、できれば実験的に車両に乗せてみて問題ないかどうかを確認するのが いいと思います。(メーカーによっては車両適合の一覧を用意しているところもあります)
また安全性に関しては、できるだけ最新の安全基準であるR129 に対応しているものがベストです。
今はベッド型のチャイルドシートでも 安全に快適に利用できるものもあります。
最終的には子どもの安全を第一に考慮し、適切なチャイルドシートを選択することが大切です。