チャイルドシートに後ろ向きで座るのはなぜ?~いつからいつまで必要か

子供の安全と快適性は、何をおいても優先するべき重要な課題です。

ドライブなど車の中での移動は楽しさにあふれるものですが、自動車事故が多発する現代社会においては、チャイルドシートを正しく使い、子供を守ることは、親の責任として避けては通れません。

今回は、なぜチャイルドシートに後ろ向きで座るのかと、いつからいつまでか、義務化されているのかなどを見ていきます。

チャイルドシートの重要性

チャイルドシートは、子供の安全性を確保するために欠かせないアイテムです。

自動車事故は いつふりかかってくるかわかりませんし、 子供の身体は成人と比べてひどく脆弱です。

特に生まれて間もない赤ちゃんは、首がすわるまでは自分の頭を支えることもできず、手や足などで踏ん張ることもできません。

そのような身体をよりしっかりと安全に守るため、 後ろ向きで座るチャイルドシートというものが存在します。

チャイルドシートに後ろ向きで座らせるのはなぜ

チャイルドシートに後ろ向きで座ることの理由は多くありますが、代表的なものを以下に列挙します。

*頭と首の保護

後ろ向きのチャイルドシートは、事故時に子供の頭と首をしっかりとサポートすることができます。

車はどちらかというと アクセルを踏んで加速するときよりも、止まるときのほうが大きなGが体にかかります

急なブレーキや衝突時に、後ろ向きの座席に座っている子供は前向きに座る場合よりも、頭と首の動きが抑制されるため、重大な怪我を防ぐことができます。

*胸部と内臓の保護

後ろ向きの座席では、急な衝撃が加わっても比較的広い面である背中で衝撃を受け止められるので力を分散することができます。

これにより、内臓器官や胸部にかかる負荷を軽減し、内部の損傷を最小限に抑えることができます。

*脊椎と骨の保護

子供の脊椎と骨は成長途中で非常に脆弱です。後ろ向きの座席を使用することで、脊椎や骨にかかる負担を軽減し、成長をサポートすることができます。

チャイルドシートの後ろ向き座席はいつからいつまで必要か

なぜ必要か?というのが分かったところで、ではいつからいつまで後ろ向きで座らせる必要があるのでしょうか。

安全基準のR129では、後ろ向き座席の使用は1歳未満から15カ月未満までとされています。

また、 15ヶ月を超えたとしても身長76cm未満のお子様には前向きは使用できません。

まずは年齢を基準として、 お子様の体格に合わせて判断してください。

後ろ向きに座ることは義務化されている?

後ろ向きに座ることは前述の安全基準R129で規定されています。

R129は、欧州でのチャイルドシートの安全基準で従来のECE R44基準の後継として開発されました。

この新しい規格は、特に子供の安全を向上させるために設計されており、以下の主要な特徴があります。

後ろ向き座席

R129では、子供が15ヶ月まで後ろ向きのチャイルドシートに座ることが義務付けられています。

また、従来の体重ベースの分類に代わり、身長ベースの分類が導入されました。

これにより体格に応じたチャイルドシートの選択ができるようになりました。

i-Size

R129は「i-Size」とも呼ばれ、i-Size対応の車両とチャイルドシートの間での互換性を強化しています。

これにより、取り付けがより簡単で確実になります。

強化されたテスト要件

R129では、従来のECE R44よりも厳しいテスト要件が導入されています。

これには側面衝突テストも含まれ、全体的な安全性が向上しています。

R129基準のチャイルドシートは、これらの改善された安全要件を満たしており、欧州連合内で販売されるチャイルドシートに対しては必須となっています。

日本でも22023年9月1日からR129 に完全移行し、 この安全基準に適合しないチャイルドシートは生産や出荷ができなくなります。

実は道交法では座る向きについては規定されていませんが、 安全基準によって生産・出荷ができなくなるということは、ユーザーも自動的にその安全基準に適合したチャイルドシートを使うことになるので、 間接的には義務化されているということができます。

ただし、その安全基準はこれから生産されるものに対して行われる認証になりますので、 旧規格であるECE R44を使ってはいけないということではありません。

しばらくは中古市場などでも旧規格のECE R44 のチャイルドシートが販売されると思いますが、 それが即危険ということではありませんけれども、可能な範囲で新基準にあったチャイルドシートを選ぶことをおすすめします。

チャイルドシートは後ろ向きに座らせるのはなぜ?【まとめ】

後ろ向きに座らせることになぜ?と思うこともあるかもしれませんが、首が脊椎にかかる負担を軽減し、子供をより安全に保護するという大きな意味があります。

まだまだチャイルドシートなんかいらないと考える 親もいるようですが、適切に使用にすることで、愛する子供たちを最大限に守ることができます。

安全な移動や旅行のために、適切なチャイルドシートを必ず使用しましょう。

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