家にいながら欲しいものをいつでも買える便利な時代になりました。
コロナ禍の影響もあり物流は年々増え続けている状態です。
消費者の生活が潤うその背景で運送業は多忙となり長時間労働や労災が増加しています。
特に労災に関しては荷台からの転落による死傷者が多く改善が課題となっています。
この状況を変えるべくトラックドライバーのヘルメット着用基準が変更されました。
今回はヘルメット着用義務化の内容、罰則などの詳細に付いて解説していきます。
着用義務を怠ると事業者には罰則も発生するので良く確認しておきましょう。
Contents
トラックドライバーにヘルメット着用義務化はいつから
2023年10月1日から開始されました。
以前は最大積載量5トン以上のトラックが対象でしたが、今後は最大積載量2トン以上5トン未満のトラックも対象となります。
これに伴い最大積載量2トン以上の貨物自動車には昇降設備の設置が義務化されます。
さらに2024年2月からはテールゲートリフター使用時の特別教育が義務化されます。
これも「2024年問題」の課題ではないでしょうか。
トラックドライバーのヘルメット義務化の罰則は?
ヘルメットの着用義務を守らなかった事業者には罰則が課せられます。
労働安全衛生規則法の第119条、120条に記載されています。
6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
労働安全衛生法では事業用と自家用車の区別はなく自家用車でも罰則は同じです。
ヘルメット着用が必要な対象車両と作業
*対象車両
最大積載量5トン以上の車両
最大積載量2トン以上5トン未満で以下の条件を満たすもの
・平ボディー
・荷台の側面が開閉できるタイプ(ウイング車など)
・テールゲートリフター付き(パワーゲート付)
・バンタイプで側面の扉が後部の扉よりも広範囲で開く場合
・高さ2メートル以上で作業する場合は2トン以下でもヘルメット着用の義務がある
*ヘルメット着用が必要な作業
・ウイング車でウイングを閉じた状態であっても後部扉から荷を積みおろしする場合
*ヘルメット着用義務が必要ではない作業とは
・テールゲートリフターを使わずに荷を積みおろしする場合
・テールゲートリフターを途中で止めてステップの代わりとして使う場合
トラックドライバーのヘルメットの規格
ヘルメットと言ってもどれでも良いわけではありません。
ヘルメットには電気絶縁用、飛来落下物用、墜落保護用の3つの使用区分があります。
墜落時保護用で型式検定に合格したヘルメットの使用が定められています。
ヘルメットの内側にライナーと呼ばれる衝撃吸収材が入っています。
*ヘルメット選びのポイント
・型式検定に合格している
・墜落時保護用の記載がある
・耐用年数を守る
検定合格品には検定合格標章のシールが貼り付けてあり、それが目印になります。
トラックドライバーのヘルメット義務化!罰則は?【まとめ】
今回のヘルメット着用義務化によりトラックドライバーの身が安全に守れる一方、仕事の手間が増えることにもなります。
実際にお店や工事現場で荷物の積みおろしを見かけることもありますが、ヘルメットを被った状態で作業をしていないドライバーが多いように感じます。
今後さらに対象範囲が広くなることでドライバーの作業効率が悪くなり着用率が下がる恐れも十分にあります。
私もトラックディーラーに勤めていた頃ドライバーと話す機会が多々ありましたが、とても厳しい労働条件の中で働いている印象をいつも感じていました。
ドライバーにとってヘルメットの着用義務化がさらなる負担になることは間違いありません。
これから物流業界は「2024年問題」に向かいますが、今後消費者である私達の生活にも影響が出てくることは避けられないはずです。