アウディクワトロの欠点は?正しく作動させるための対策をご紹介!

クワトロ(quattro)とは、アウディの全輪駆動(AWD)システムで、商標にもなっています。

一般的に、自動車は4輪ですから、4WDのアウディ版です。

ただし、あとで詳しく見る通り、アウディ・クワトロは独特の技術です。

そのクワトロですが、あまり効果を実感できないという声も聞きます。

日本は豪雪地帯も多いため、4WDの需要は高く、アウディのファンにもクワトロ搭載グレードを購入する方が多いでしょう

そのため、効果に対してもシビアな評価につながっている可能性があります。

そこで今回は、アウディ・クワトロに欠点はないのかを検証し、実力を遺憾なく発揮させるための対策についても見ておきましょう。

アウディ・クワトロの基本を確認しておこう

日本では、4WDと聞くと「4輪すべてが動く」程度の認識しか持っていない方も多いでしょう。

アウディ・クワトロは、決してそれだけの技術ではありません。

まずは、アウディ・クワトロの特徴を詳しく見ておきましょう。

アウディ・クワトロの特徴

アウディ・クワトロは、開発された時から非常に先進的な技術です。

クワトロの原型は1980年に開発されましたが、飛躍を遂げたのは1987年です。

同年に開発されたトルセンT1センターデフは、各車輪のグリップ力に差が生じた時、もっとも力が必要とされる車輪にエンジンの力を重点的に伝える装置です。

単純化して言えば、空転しそうな車輪がある場合、それ以外の車輪にエンジンの力を傾斜配分し、空転を防ぐのです。

この技術が画期的だったのは、第1に、空転してから対応する仕組みではなく、あらかじめ空転を防ぐ仕組みだったことです。

そして第2に、今日のような高度に電子化された装置を必要としない、非常にアナログな技術だったことです。

アナログな技術で繊細な制御を可能としたところに、アウディの研究開発能力が垣間見えます。

一般的な4WDとの違いとは?

アウディ・クワトロに似た技術は、今では各自動車メーカーが独自に開発しています。

しかし、他社の4WDと同じ電子制御が基本になったとは言え、4つの車輪への力加減を微妙に制御するクワトロの独自性は健在です。

すでに述べましたが、アウディ・クワトロは、車輪の空転へ事後的に対応するのではなく、事前に空転を防ぐことを特徴とします。

そのため、ドライバーは、クワトロを作動させるための特段の操作を必要としません。

それどころか、作動していることすら感じることはないでしょう。

4WDには、空転しそうな路面であるかをドライバーが判断し、意図的な作動を必要とする仕組みもありますが、クワトロはそうした仕組みと無縁です。

一般的な4WDと共通の注意点

アウディ・クワトロは特殊な技術で、決して一般的な4WDと同じではありません。

そのため、クワトロ特有の欠点もあり、その対策も必要となりますが、この点については後ほど詳しく見ます。

他方で、クワトロも全輪駆動ですので、当然に燃費は悪化します。

製造コストがかかるために車両価格も高額になる傾向がありますが、もとから高級車で売っているアウディでは気にならないでしょうか。

むしろ、気にすべきは騒音かもしれません。

騒音は一般的な4WDにも共通する欠点ですが、装置の追加や駆動システムの複雑化のため、余計な騒音が発生しやすくなるのです。

アウディ独特のエンジン音は、往々にしてクワトロのためです。

アウディ・クワトロの欠点!威力を発揮させるために!

日本では、特に雪国を中心に、4WDであれば雪道でも万能であるかのように勘違いされている方もいますが、そんなことはありません。

4WDにも限界はあるのであり、それはアウディ・クワトロも同様です。

アウディ・クワトロの欠点とは?

すでに見た通り、アウディ・クワトロは高度な技術を採用していますが、それだけに繊細です。

あらかじめ空転しそうな車輪を察知する技術自体が、アナログな時代から十分高度であり、故障しやすい欠点があるとは言われていました。

近年は電子制御が導入されていますので、メカニックな複雑さは軽減されましたが、今度は電子制御の欠点がそのまま反映されることになります。

最近の自動車は電子制御装置を介してすべての操作を行っていますから、たとえば車輪の駆動とは直接関係のない部品の不具合も、車輪の駆動に影響する可能性が出てきます。

電子制御の仕組みは年々改善が進んでいますので、無関係の部品同士が影響し合うケースはだいぶ減ったようですが、意識的に不具合を察知する努力は必要です。

たとえば、車輪の駆動とは関係のない部品の異常であっても、警告灯などが点灯した時は早めの対策を心がけましょう。

アウディ・クワトロの効果を発揮させる対策

アウディ・クワトロは、ドライバーの意図に関係なく自動的に発動しますが、それだけに不具合に気づくのも遅れる可能性があります。

雪道など、冬場の路面であればグリップ力の欠如といった形で気づきやすくはなります。

また、通常の路面であっても、カーブなど一部の車輪にのみ負荷がかかるような状況で威力を発揮するのもクワトロです。

そのため、冬場以外の時期であっても、カーブでハンドル操作が不安定になったり、坂道でグリップ力が足りないと感じたりした場合は、面倒がらずに点検を受けましょう。

先にも述べましたが、技術が繊細であるというクワトロの欠点をカバーする対策は、何と言っても小まめな点検に尽きます。

ただし、クワトロは特殊な技術で、専門的知識が必要となりますので、できればアウディを取り扱う正規ディーラーを探しておくと安心です。

日本の環境に合わせた使用法

アウディ・クワトロは、4WDの一種ではあります。

ただ、アウディが生まれたドイツの環境は、日本の環境とは異なります。

ドイツには、丘陵地もあるものの、概して平坦な土地が広がります。

それに対して日本は、山あり谷ありの地形に加えて、冬場の降雪量が多いという過酷な環境です。

なぜ、ドイツの自動車メーカーであるアウディが熱心にクワトロを開発したかと言えば、通常路面での走行性能の向上を目指したからです。

たとえば、すでに見たカーブでの安定性や、加減速機能の強化等です。

そのため、4WDを雪道対策と同義程度に考えている方は、クワトロの効果を享受できていない可能性があります。

もちろん、雪道で威力は発揮しますが、クワトロは車輪の空転を事前に防ぐ技術です。

そのため、空転してからでは威力が減退してしまいます。

クワトロの威力を発揮させるためには、スタッドレスタイヤの摩耗チェックはもちろんのこと、よほどの雪道である場合はチェーンを装着するなど、グリップ力を増す対策を忘れないでください。

アウディクワトロの欠点は?正しく作動させるための対策をご紹介!【まとめ】

今回は、アウディ自慢の技術であるクワトロについて、その仕組みと欠点を確認しました。

そこで見えてきたのは、決してクワトロは一般的な4WDと同じでないということであり、日本ではその点が正しく認識されていないということです。

欧州では、4WDを含む全輪駆動は、あくまでオフロード等の悪路対策というイメージの方が強いのです。

そのため、どちらかと言えば4WDを雪道対策と捉える傾向の強い日本では、クワトロの欠点が目立ってしまう可能性が高まります。

クワトロは、車体の制動より車輪の空転防止を重視した技術であることを再認識し、雪道ではスタッドレスタイヤやチェーンの装着など、基本対策を怠らないようにしましょう。

PAGE TOP