アウディの保険料はなぜ高いのか?車両保険の仕組みと入れないケースについて

車両保険は、ドライバーではなく、ドライバーのマイカーを対象とした保険です。

マイカーは、日常的な危険にさらされています。

交通事故や自然災害による破損が代表例ですが、その他にもいたずら等による人為的な破損、あるいはマイカーが盗まれてしまった場合も車両保険の補償対象となります。

ただし、もちろん条件があり、条件次第では保険料が高い場合もあります。

さらには、そもそも入れないという場合もあります。

今回は、特に車両保険の保険料が高いとされる輸入車の中からアウディを選び、保険料はいくらかといった基本から見ていきたいと思います。

アウディと車両保険

アウディはドイツを代表する高級車なので、破損すれば被害は甚大です。

だからこそ車両保険に入りたいわけですが、断られたり、入れたとしても補償金額が低かったりすることもあります。

まずは、車両保険の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

*そもそも車両保険の仕組みとは?

ドライバーの方々にとって、どんなに古いマイカーも愛車は愛車で、大切な「資産」です。

しかし、申し訳ありませんが、車両保険の仕組みでは、そうした事情は一切考慮されません。

車両保険の補償金額の算定においては、その自動車の時価が物を言うからです。

この場合の時価は、会計学上の減価償却に近い考え方で算出されるため、中古車市場でプレミア価格がついていても関係ありません。

たとえば、新車で買った時は1千万円を超えた高級車でも、10年経って時価が100万円を切っているとすれば、補償金額は格段に安くなります。

あるいは、補償金額や保険料がいくらかを考える前に、そもそも車両保険に入れないという事態すらあり得ます。

補償する価値もない自動車と見なされる可能性もあるからです。

このように、車両保険の世界はシビアな原理で動いていることを、まずは理解しましょう。

*車両保険の保険料はどうやって決まる?

中古車を購入すると、「車両保険は新車が対象だから入れない」と説明する方がいます。

確かに、9割以上は当たっているのですが、やや不正確な部分もあります。

正確には、「入れないこともないが、保険料がめちゃくちゃ高くつく」と言うべきです。

第1に、ドライバーの任意保険に車両保険を付帯した場合、下手をすると保険料が倍近くになってしまうことがほとんどです。

そのため、高い保険料を払う価値があるか、補償金額はいくらになるかなど、よく確認する必要があります。

たとえマイカーが破損しても、自腹で修理する方が安い場合も多いので、事後的に後悔しないようにしましょう。

そして第2に、マイカーの破損が事故によるものである場合、車両保険を使うと保険等級に影響することも忘れてはいけません。

自損事故等で、結局は自分で修理代金を払うことができるのであれば、わざわざ保険等級を下げる保険金の請求は、行わない方が賢明です。

*アウディの保険料は本当に高いの?

ここまでの検討で明らかになったことを一言で言えば、車両保険に入るべきなのは、新車でマイカーを買ったその瞬間だけということです。

マイカーを買った翌日から、さっそくマイカーの価値は減損を始めるからです。

アウディの場合、新車価格は軒並み500万円を超えており、1千万円を超える車種もざらです。

しかし、中古車として時価が下がるのも意外と早く、Aシリーズの高級セダンでも、中古車市場では初度登録から5~7年経った車種が500万円を切ることも珍しくありません。

しかし、購入価格が安かったからと言って、必ずしも車両保険を付帯する必要がないことも、すでに見た通りです。

つまり、車両保険が必要なのは新車のアウディであり、中古車として手に入れたアウディであれば、わざわざ車両保険を付帯するまでもないと思われます。

せっかく安く手に入れたのに、保険料ばかり高いと嘆く事態が目に見えているからです。

アウディが車両保険に入れない?

車両保険を付帯すべきなのは新車購入時のみという原則は、アウディにも当てはまりそうです。

ところが、今度は別のお悩みを聞いたことがあります。

どうやら、アウディを含む輸入車は車両保険に入れないらしいと聞いたのだそうです。

その噂は本当なのかを、最後に検討しておきましょう。

*車両保険での輸入車の扱い

一般的に、車両保険の扱い方を国産車と輸入車で区別せよという明確な基準があるわけではないようです。

しかし、輸入車は海外で生産されているわけですから、いざ破損すれば大変です。

国内にディーラーはありますが、破損箇所によっては部品を海外から取り寄せなければならないからです。

そのような事情から、輸入車の修理代金は高くつき、そのために車両保険で支払われる保険金も高いという経験則が、保険業界で確立されてきたのです。

つまり、明文化されていない不文律のようなルールです。

したがって、保険業者としては、輸入車を対象とした車両保険を申し込まれた場合、いざ請求された時の損失が大きくなるため、決して快諾とはいかないのです。

*車両保険に入れないケース

アウディも輸入車ですから、いざという時の修理代金が高くつく可能性は、もちろんあります。

しかし、アウディは、海外ブランドとしては国内4位のシェア(JAIA調べ)を誇ります。

いくら輸入車とは言っても、ほとんどの部品を海外から取り寄せなければならないほど、悠長に構えてはいないでしょう。

むしろ、アウディが車両保険に入れないとすれば、別の要因が考えられます。

第1に、輸入車、とりわけ高級車種であるほど、盗難やいたずらに遭うリスクは高まります。

第2に、わざわざ輸入車に乗ろうとする人は、車好きである場合がほとんどです。

そうした人たちはドライブが趣味なため、必然的に事故に遭うリスクも高まります。

これらの事情は、たとえばレクサスやスープラなど、国産の高級車やスポーツカーにも当てはまるのですが、輸入車の方が該当する確率は高くなります。

こうした理由から、輸入車の車両保険は「高くなりやすい」「断られやすい」と言うのが正確なのです。

*アウディが車両保険に入れるケース

新車のアウディの場合、価格が500万円以上する車種の方が圧倒的に多いですから、当然に車両保険に入れないケースは多々出ると思われます。

しかし、保険料は高いものの、断らないことを原則としている保険業者もあります。

そうした保険業者をリサーチしてみると、株式会社ではなく共済組合の場合が多くなっています(だからこそ「業者」としました)。

また、アウディであっても、たとえばA1やA3のように、新車価格が比較的リーズナブルだったり、e-tronシリーズのように台数(保険加入者数に比例)が増えたりしている車種もあります。

そうした車種は、破損した場合でも保険金が抑えられるため、今では断られるケースの方が少ないと思われます。

アウディの保険料が高いのはなぜ?【まとめ】

今回は、アウディの車両保険を付帯する場面を例として、そもそも車両保険の仕組みや加入基準がどうなっているかを見てみました。

大まかな結論としては、高級輸入車であっても車両保険を付帯できる保険業者は増えているので、できれば新車購入前に保険業者へ問い合わせてみましょう。

いくらか保険料は高くなるかもしれませんが、断られるケースは減ってきたと思われます。

いずれにしても、輸入車を手に入れるとテンションが上がるかもしれませんが、くれぐれも安全運転を心がけ、車両保険のお世話にならないようにするのが一番です。

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