アウディはドイツの高級車ブランドとして、長らくセダンのイメージが強かったわけですが、最近ではSUVも人気を得ています。
SUVと言っても高級なプレミアムSUVで、アウディはQシリーズとして区別しています。
その中でも人気なのが、Qシリーズの魅力を小さなボディに凝縮したと胸を張るQ3です。
日本でのQ3の発売は2013年でしたが、2020年にはクロスオーバーとしてQ3スポーツバックも投入されました。
発売から3年あまりが経ち、Q3スポーツバックの利点や欠点が、そろそろ見えてきたのではないでしょうか。
そこで今回は、アウディ・Q3スポーツバックの燃費や評判に焦点を当て、利点と欠点を整理しましょう。
Contents
アウディ・Q3スポーツバックの特徴とユーザーの評判
アウディ・Q3スポーツバックは、元のQ3に比べて流麗な形状となりました。
それが、クロスオーバーと呼ばれる理由です。
*アウディ・Q3スポーツバックは何がすごい?
クロスオーバーとは、バリバリのSUVとは一線を画し、街乗り等でも違和感のない形状や性能を持ったSUVを指します。
ちなみに、バリバリのSUVはクロスカントリーに当たります。
クロスカントリーになると、いかにも悪路を走破するマッチョな自動車ですが、クロスオーバーは格好良さが売りとなります。
アウディ・Q3スポーツバックがクロスオーバーと定義されるのも、元のQ3に比べて流麗な形状となり、格好良さを追求した点を強調するためです。
しかし、逆に言うと、そうした形状の違い以外に大きな違いはなく、新車価格も元のQ3より15~40万円ほど高いだけです。
*アウディ・Q3スポーツバックの燃費
元のQ3もスポーツバックも、2023年9月に最新モデルが発売されました。
また、どちらもガソリン車とディーゼル車が用意されています。
ガソリン車のエンジンは、直列4気筒のターボ付きですが、気筒休止システムの採用で燃費を改善したのが大きな特徴です。
燃費は、世界標準のWLTCモードで15.5km/l、日本のJC08モードでは17.5km/lです。
ディーゼル車も直列4気筒のターボ付きで、燃費はWLTCモードで15.4km/l、JC08モードでは17.8km/lです。
軽油がガソリンより安いこともふまえると、ディーゼル車モデルの燃費は数字以上に実感できるのではないでしょうか。
また、ガソリン車モデルの燃費もSUVにしては良好な方ですので、SUVを好むユーザーの評判も良いものと思われます。
*アウディQ3スポーツバックの利点と欠点
アウディ・Q3スポーツバックの発売から3年あまりが経ち、評判も聞こえてきています。
その内容を見ると、期待値が高い分だけ落胆する部分もあるようです。
自動車に関する著名な口コミサイトを見てみると、さすがと言うべきか、アウディのユーザーは意識が高いと実感させられます。
まず、Q3スポーツバックの利点を洗い出すと、次の通りです。
・見通しがきき、街中でも乗りやすい
・音も比較的静か
・アウディ自慢のバーチャルコクピットが見やすい
・路面感覚もつかみやすい
やはり、クロスオーバーならではの流麗な形状の評判は上々ですし、SUVの割には地に足が付いているという評価です。
他方で、次のような欠点も指摘されています。
・同じ理由で後ろの見通しが悪い
・価格の割にはオプション装備がそれほどでもない
・同じ理由で内装が外装より安っぽい
スタイリッシュな車種の見通しが悪いのは、往々にして仕方のないことです。
しかし、「価格の割に…」という声は見過ごせません。
アウディ・Q3スポーツバックの評判から見えること
自動車の評判を上げるうえで、コスパに関する評判は特に重要です。
コスパが悪いという評判であれば、わざわざ損をするような買い物はしなくなります。
ライバル車種は多く存在するのです。
*SUVにとって燃費はどれだけ重要?
自動車のコスパを評価するうえで、最も重視されるのは燃費のはずです。
しかし、わざわざSUVに乗ろうとする人が、どこまで燃費を気にするのかという疑問もあります。
アウディとともに、ドイツの3大高級車ブランドとされるメルセデス・ベンツとBMWも、ライバルと目されるSUVを販売しています。
3メーカーの母国であるドイツでは、メルセデス・ベンツ・GLC、BMW・X4がアウディ・Q3のライバル車種と言われているようです。
メルセデス・ベンツ・GLCの燃費は、ベーシックな220d・4マチックの場合、WLTCモードで18.1km/lです。
それに対し、スタイリッシュなクーペになると、15.1km/lに悪化します。
BMW・X4のベーシックモデルはx Drive 20d Mスポーツですが、ディーゼル車になります。
その燃費は、WLTCモードで14.5km/lで、軽油とはいえ、燃費が良いとは言えません。
このように、スタイリッシュな形状やSUVであること自体の価値が重視されるとすれば、燃費の良さは二の次となります。
*SUVの評判を測るうえで重要な要素
スポーツカーもそうですが、SUVにも、その車種ならではの固有の価値があります。
何よりも燃費を重視するというユーザーであれば、そもそもコンパクトカーや軽自動車を選ぶはずです。
ですから、SUVでは、過度に燃費を重視するよりも、性能や形状で勝負する方が得策となります。
わざわざSUVを選ぶユーザーは、アクティブであると同時に車好きのはずです。
SUVに期待されるのは、どんな悪路でも走破する性能とともに、スタイリッシュな形状です。
この両者は、燃費の良さと妥協する必要があり、利点と欠点の裏返しの関係にあります。
アウディ・Q3スポーツバックは、SUVとしては燃費が良いわけですが、欠点として「価格の割には…」という声が聞かれるのは、まさにSUVの利点が削がれていることを意味します。
*ライバル車種との競合を勝ち抜けるか?
アウディ・Q3スポーツバックの欠点として上がった声のうち、内装が安っぽく見えるという声は注目されます。
まさに、SUVのユーザーは、自動車としての利便性にプラス・アルファを求めているのです。
恐らく、それは価格とのトレードオフだった可能性があります。
アウディ・Q3スポーツバックは、メルセデス・ベンツ・GLCやBMW・X4に比べると、新車価格が300万円以上安く設定されています。
しかし、様々なオプションを付加すると価格が釣り上がるという声もあります。
これらのことから、SUVという自動車の実用性を重視し、ほどほどの格好良さも欲しいという方にとっては、アウディ・Q3スポーツバックは有力な選択肢となります。
同車がライバル車種との競合を勝ち抜けるかは、そうしたリーズナブルな価格設定を守りつつ、燃費以外の点でコスパの良さを印象付けられるかにかかっていると言えます。
アウディq3スポーツバックの欠点とは?【まとめ】
今回は、アウディ・Q3スポーツバックの評判を、利点と欠点の比較という視点で見てきました。
最近では、自動車のコスパを測るうえで、燃費が何より重視されます。
しかし、スポーツカーと同様、SUVのコスパを測る基準は、燃費以外のところにもあります。
むしろ、悪路を走破する実用性のほか、日常的な使用にも溶け込む自然なデザインも求められます。
これらを追求すれば燃費は悪化し、販売価格も上がりますが、真のSUV好きはさほど気にしません。
今後、アウディ・Q3スポーツバックが、ライバルとの競合を勝ち抜くべく、どんなモデルチェンジを行うか、楽しみでもあります。