トラックのギアチェンジが固くてうまく入らなかったことはありませんか?。
積載時や渋滞時、ギアが固いと変速がうまくいかずに焦ってしまいます。
私はトラックディーラーでメカニックとフロントを経験し沢山の修理をみてきました。
今回はトラックドライバーの初心者向けにトラックのギアが固いのはなぜなのかについて解説します。
この記事を読めばトラックの基礎知識や正しい操作方法がわかります。
私がトラックの整備業界で18年間勤務し実際に体験したリアルな情報を交えながらお伝えします
Contents
トラックのギアが固くて入りにくいのはなぜ?
車はエンジンの回転を動力に変えて走行しています。
エンジンからの回転をそのままミッションに伝えてもギアを入れることはできません。
エンジンの回転とミッションの回転を同期する必要があります。
そのためにクラッチやミッション内部に回転を同期させるための機構があるのです。
回転を同期できないとギアが固い症状やギア鳴りが発生します。
トラックのギアが固い時の故障事例を紹介
ギアが固く入りにくい原因はいくつかあります。
修理の現場で実際に多かった故障事例を紹介します。
ミッション本体の故障
ミッション内部の故障はシンクロと呼ばれる部品の故障が原因です。
ギヤの回転を同期するのに1番重要な部品で心臓部になります。
摩擦によりギアの回転数を同期させギアを入れることができます。
摩耗すると回転数を同期できなくなりギアが固くなったり、ギア鳴りを起こします。
修理する場合はミッションオーバーホールかミッション交換になります。
クラッチ内部の故障
クラッチ本体が故障するとエンジンからの動力を断切できなくなりギヤを入れたり抜いたりの操作ができなくなります。
クラッチは4つの部品(クラッチディスク、プレッシャープレート、レリーズベアリング、パイロットベアリング)で構成されており部品によって不具合の症状が変わります。
クラッチオーバーホールが必要となるためミッションを車両から降ろしての作業となります。
クラッチコントロールの故障
クラッチコントロールはクラッチペダルの操作のことです。
故障の症状はクラッチペダルが踏めないほど固くなったり、軽すぎて踏んだ感触が無くなったりします。
最終的にクラッチの断切ができなくなります。
修理時間は2時間ほどで完了し、各部品の交換で症状は解消します。
ミッションコントロールの故障
ミッションコントロールとはシフトレバーの操作のことです。
ワイヤーの渋りや切れ、ボールジョイントが脱落する故障が多く、故障が発生するとシフトレバーの操作が固くなりできなくなります。
故障の発生頻度は少なく、故障の重症度は低い方です。
トラックのギアが固いのは故障のサイン!
トラックのギアが固い症状にはいくつかの原因がありますが、エンジンとミッションの回転が同期できないことがほとんどです。
逆に回転が同期すればギアを入れることができます。
ダブルクラッチを使ったり、一呼吸おいてからギアを入れたりするとギヤが入りやすいのは回転が同期するからです。
しかし対策は、トラックのギヤが固くなる前にとるのが本当の対策です。
・クラッチを完全に切ってからのギヤチェンジ
・無理なシフトダウンはしない
・適切なクラッチ操作、調整を意識する
トラックのギアが固いと思ってからでは遅いのです。
日頃から対策を心掛けましょう。
この記事はトラックのオートマが乗りにくいと言われている理由について解説しています。 私はトラックディーラーに勤務し、修理とフロント業務を18年間経験しました。 トラックのオートマが乗りにくいのは何故なのかディーラー側の目線になってお伝えします。 オートマの運転方法は簡単ですが、...
トラックのギアチェンジが固い原因と対策は?【まとめ】
トラックの寿命を長く保つにはドライバーの運転技術が深く関係します。
特にギアやクラッチに関してはドライバーの乗り方で寿命が決まると言っても過言ではありません。
ギアが固くならないように正しい操作方法、メンテナンスの知識を身につけるのが1番の対策です。
まずは何が正常なのかを知り、異常があった時や違和感があった時にはすぐに修理に出しましょう。
トラックの寿命を延ばすのも縮めるのもドライバーの腕次第です。
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