走行していないときも、安全を考慮する必要があります。
例えば、信号待ちの車間距離も、安全の観点から非常に重要なのです。
この記事では、信号待ち時の適切な車間距離、法律における規定、何メートルが安全な目安か、詰めすぎや開けすぎのリスクについて掘り下げます。
信号待ちと車間距離の法律
信号待ちの際、適切な車間距離を保つことは、事故防止のために不可欠です。
車間距離が短すぎると万が一後続車に追突された場合、さらに前の車にぶつかってしまい、玉突き事故になります。
また、前の車が動けなくなって避けなくてはいけない場合、車間距離がないと一旦後退するなどの動作が必要になります。
よって、例え信号待ちで停車するときも、車間距離は適切にあけておく必要があります。
では、車間距離は法律で決まっているのでしょうか。
実は法律では、停車、走行中問わず、車間距離が何メートルいていることということは、明確には決められていません。
ただし、車間距離保持義務違反というのが法律で定められており、適切な車間距離を保っていないと、取締対象になります。
最近は特に、車間を詰めて威圧する「煽り運転」が横行しており、車間距離不保持での検挙数が増えていると聞きます。
何メートルが安全な目安か
では、適切な車間距離とは何メートルなのでしょうか。
法律では決められていませんが、一般的に言われている基準はあります。
信号待ち場合は、普通車1台分を開けるのがベストと言われていますが、これはかなりの空間になります。
車間距離を空けすぎていると割り込まれたり、渋滞が多い地域では、その空間の存在がさらに渋滞の原因となってしまうことも多くあります。
また、詰めすぎている場合もまた問題があります。
緊急車両が後方から近づいてきた場合、ドライバーは迅速に道を譲る必要がありますが、車間距離を詰めすぎていると身動きが取れず、道を譲ることができません。
詰めすぎも空け過ぎも良くない、絶妙な距離を空ける必要がありますが、普通車の場合、ボンネット越しに前のクルマの後輪が見えるくらいがいいと言われています。
距離でいうと2〜3メートルくらいです。
このくらいあれば、万が一のときにはハンドルを目一杯切れば避けることもできますし、簡単に割り込まれる距離でもありません。
前の車に、プレッシャーを与えることもありません。
ぜひ詰めすぎずに少し余裕を持って、でありながら空けすぎず、後続車の迷惑にならない距離を保って止まるようにしてください。
車間距離の調整方法
もちろん走行するときも、適切な車間距離を保っておく必要があります。
クルマは急には止まれません。
ブレーキを踏んで止まるまでの距離を稼ぐために、速度に応じた車間距離を空けておきましょう。
走行中は、クルマ1台分などでは足りません。
2秒の間隔を開けると良いと言われており、前の車が電柱などの目安を通ってから2秒後に自分が通過するのが、すべての速度域で適切な車間距離だと言われています。
「ゼロイチ、ゼロ二」というように、「ゼロ」も含めて頭の中で数えるのが調度良いようです。
車間距離の法律
前述の通り、車間距離自体が何メートルという規定はありませんが、走行中に前走車と適切な車間距離を取らず、接近して走ると車間距離保持義務に違反することになります。
一般道では「車間距離不保持違反」、高速道路では「高速自動車国道等車間距離不保持違反」という違反になり、普通車は一般道の場合は違反点数1、反則金は6000円、高速道路は違反点数2、反則金は9000円になります。
そしてなにより、煽り運転になってしまいます。
正しくは妨害運転と言いますが、これに該当すると判断されると、違反点数25、免許取り消し欠格期間2年の行政処分と、そして3年以下の懲役、または50万円以下の罰金の刑事処分を受けることになります。
車間距離不保持を重く受け止めていない人も多いようですが、大きな代償を払う可能性もありますので、注意が必要です。
信号待ちの車間距離の法律【まとめ】
車間距離保持は、安全運転の基本であり、法律によっても規定されています。
何メートルが適切かは状況により異なりますが、詰めすぎや開けすぎは、それぞれ異なるリスクや弊害を伴います。
ドライバーとしては、常に周囲の状況を考慮し、適切な車間距離を保つことが求められます。
安全な運転は、自分自身だけでなく、他の道路利用者の安全にも直結するため、この基本を忘れずに運転しましょう。