「愛車の法定点検の時期です」と車屋さんからDMや電話案内が来たら皆さんはきちんと車の点検を受けていますか?
「車検じゃないの?」「そもそも法定点検って何?」「点検受けないとダメ?」と疑問な方もいると思います。
そこで、法定点検の基礎知識から法定点検しないとどんなリスクが考えられるか、費用がかかる点検の必要性・メリットを詳しく解説します。
車の法定点検の基礎知識
どんな検査を受けるの?法定点検しないと罰則があるのかを見ていきましょう
法定点検とは
法定点検とは「道路運送車両法第48条」で定められ、「安全かつ故障を未然に防ぐ」ために確認する検査です。
車検も法令で定められていますが、「保安基準を満たしているか」を確認する検査のためそれぞれ点検目的が異なります。
検査項目
12ヶ月点検は全26項目となります。
『車の故障を未然に防ぐため』ために以下の項目を点検します。
②パワーステアリング等のかじ取り装置
③ブレーキペダルやパッドなどの制動装置
④エンジンルームやトランスミッションなどの動力伝達装置
⑤バッテリーなどの電気系統
⑥プロペラシャフトやドライブシャフト
さらに上記以外にも整備士が損傷・異常がないか確認します。
いつまでに受けるのか。期限過ぎたら受けられない?
車検と違って法定点検はこの日までに必ず点検をしないといけない期日がありません。
購入店舗より法定点検の案内が来たタイミングで点検の予約をしましょう。
義務?法定点検しないと罰則があるか?
車の所有者は法令により法定点検を受ける「義務」があります。
しかし、車検は検査切れした状態で公道を走ると罰則・罰金があるのに対して、法定点検は「義務」にもかかわらず厳しい罰則・罰金がありませんし、普通に公道も走れます。
「来年車検だからその時受ける」「車に乗ってないから点検しない」など法定点検しないオーナーが多数いるのが実情です。
法定点検しないとどんなリスクが起きる?
点検受けなくても罰則・罰金がありません。しかし、法定点検しないとどんなリスクが起きるのでしょうか。
法定点検しないと罰則のリスク?
点検を受けずに公道を走っても罰則もありません。
ただし、法定点検しないことは「灯火類」や「制動装置」などの整備不良の状態で車が走っていると罰則の可能性があります。
例えばブレーキランプが切れているだけで灯火類の整備不良となります。これは「道路交通法」違反として罰則が科せられます。
法定点検しないと事故や故障が起きるリスク
法定点検しないと事故や故障を起こす可能性が高くなります。
例えばブレーキやタイヤなどの制動装置に不具合だったが、点検を受けずに放置して公道を走った結果、重大な事故を引き起こす可能性があります。
また、車は走行距離や年数が経てば部品の摩耗や汚損・消耗により突然故障が発生すると高額な修理費が発生します。
法定点検しないとメーカー保証が受けられないリスク
「点検の未実施に起因する不具合は保証から対象外」としている自動車メーカーが多いです。メーカー保証期間内であれば、突発的な故障が起きても無償修理が可能です。
しかし、法定点検しないだけで保証対象外となり、実費の修理負担が発生する場合があります。
法定点検の必要性・メリット
定期的に法定点検をきちんと受けることで、車の状態を把握することが出来ます。
それ以外に所有者が得られるメリットはなんでしょうか。
手厚いメーカー保証
点検項目の対象部品や装置等に故障や不具合があった場合はメーカー保証が受けられます。
突然の故障や不具合が発生した場合は通常は修理費がかかりますが、メーカー保証が受けられると無償や一部負担などで費用の節約に繋がります
車を長期的に良好な状態を維持できる
「点検で症状が出てないから特に問題ない」ではありません。部品は消耗劣化をします。
早めの処置をすることで安心安全に走行を可能にし、また故障も未然に防ぎます。
さらに点検することで車検時の費用や故障時の高額費用が未然に抑えることも可能です。
また整備工場で法定点検を受けたにもかかわらず、整備不良による事故などが発生した場合はドライバーの法的責任が軽くなる可能性もあります。
万が一のリスク回避になります。
車を売却するときのプラス査定評価
法定点検を受けている車は、「メンテナンスをきちんとしている車」だとアピール出来ます。
売却時に法定点検を受けたことを証明する「定期点検整備記録簿」を中古車査定士が確認します。
なぜなら、日本自動車査定協会の基準では法定点検を受けていると15,000円程加点となります。同年式でもきちんと点検を受けてきた車のほうが整備状況も把握でき、中古車として販売する際にも安心感があるので、売却時には高い査定が期待できます。
法定点検受けるためには
法定点検しないことは所有者のリスクが高くなるだけで何も良いことがありません。
安心して車を乗り続けるためには法定点検は必要不可欠なのです。法定点検を受けるにはどうしたらいいでしょうか。
どこで法定点検が受けられるか
分解整備など専門性の必要な作業もあるためプロの整備士にお任せしましょう。以下のお店では指定整備・認証整備工場として点検記録簿を発行してくれます。
また整備士が法定点検した場合のみダイヤルステッカーが貼り付けられるので、安心安全が保証されます。
点検依頼するお店 | メリット・デメリット |
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自動車ディーラー | 購入した車メーカーだと車種ごとに整備講習を受けた整備士が在籍。全国のディーラーネットワークもあるので細かい整備情報も共有しているので、質の高いメンテナンスが期待出来る。 一方で点検にかかる費用は一番高い。 |
車検整備工場(販売店) | メーカー協力店/認定整備工場だとディーラーから整備講習も受けている販売店もあるので信頼出来る点検が期待出来る。一方、設備面で高度な整備点検が出来ない工場もある。 |
カー用品店 ガソリンスタンド | 車検・法定点検が可能な整備工場を持つ量販店が多い。また比較的安い点検費用で、いつでも点検が受けられるメリットがある。車種ごとの専門的なメンテナンスはあまり期待出来ない。また設備面や技術面などに不安が残る場合もある。 |
法定点検の料金・所要時間
法定点検にかかる費用は依頼するお店によって異なりますので、相場をまとめてみました。
点検依頼するお店
*整備工場(街の販売店) 8,000~15,000円是後
*カー用品店・ガソリンスタンド 6,000~12,000円前後
排気量によって多少前後する場合がありますので、受ける店舗で確認しましょう。
次に所要時間については早くても大体1~2時間、店舗によっては半日かかる場合もあります。事前に点検予約をすることをおススメします。
車の法定点検しないと罰則以外のリスクが発生?【まとめ】
「車を保有する限りは点検をするべき」です。
しかし、法定点検は法令で定められた義務でありながらも罰則がないため「法定点検しない」という所有者がいます。
実際には2割程度の所有者しか受けてないのが実情です。
車は使用環境に伴い、部品など経年劣化していきます。放置したままだと最後は故障や事故に繋がります。
法定点検しないリスクを負うよりも、点検を受けるメリットの方が多いです。
良好な状態で愛車を長く乗り続けられます。ぜひ点検を受けましょう。