道路上での安全運転は、適切な車間距離の維持から始まるといってもいいでしょう。
しかし、多くのドライバーはトラックとの車間距離が短く感じることがあります。
これは、ミラーに大きく映るトラックの見え方による錯覚が原因です。
本記事では、トラックとの車間距離が短く感じる理由と、その見え方について解説します。
トラックの車間距離は短いのか
トラックは大型になると、普通に見ても迫力があるものですが、信号待ちなどで車間距離が詰まったときには、ミラーいっぱいに映るトラックは特に迫力があります。
それが信号待ちなどの停車状態ならまだいいのですが、高速道路などで後方からトラックに迫られると恐怖を感じることもあります。
中には煽り運転をして、本当に接近するトラックもいますが、多くの場合には車間距離が短いということはなく、適切な距離が空いているものです。
では、なぜ恐怖を感じるほど接近されているように感じるのかというと、一つはその車体形状があります。
日本のトラックはほとんど、一般車のようにボンネットがなく、エンジンの上に運転席が配置される「キャブオーバー」と呼ばれる形です。
通常、バックミラーで後続車を確認するとき、無意識に後続車の運転席の見え方で距離を想定していることも多いのですが、ボンネットがなく運転席が近いことから、一般車よりも車間距離が短い感じてしまうのです。
また、そもそも実際に大型トラックは、そのサイズからミラーに大きく映るため、壁のように見えてしまって威圧感を感じることも、より近くに感じてしまう原因でしょう。
つまりほとんどの場合、トラックがバックミラーで車間距離が短いと感じるのは「錯覚」であることが多いようです。
トラックはよく煽る?
高速道路では大型トラックがよく煽ってくると感じる一般車のドライバーも多いようです。
ただ、これはトラック側に問題があるケースもありますが、一般車側に問題がある可能性もあります。
トラックは重いため、減速するのも時間がかかりますし、一度スピードが落ちると一定の速度に上がるまで時間がかかります。
また、加速するには燃料を消費します。
一般的にトラックは限られた燃費の中で、効率よく荷物を運ぶために、巡航速度を保ち続けるように走っているのです。
そんなトラックの前に入った場合はどうでしょう。
まず、巡航速度を維持するために最小限のブレーキで速度を調整するでしょう。
そんなときに、前走車が加速しなかった場合は、近づいてしまうわけです。
そこでトラックが減速すると、再加速するまでにタイムラグが有るため、加速が良い後続の一般車からすると、前を低速で走られているように感じるでしょう。
つまり、意図して接近したり、前を塞いでいる訳では無いのです。
それを理解して運転すれば、お互いにイライラすることもなくなりますし、高速道路の流れを阻害することもなくなるかもしれません。
ちなみに、トラックドライバー側からの見え方にも原因があり、無意識に接近してしまうこともあるようです。
高い位置にあるトラックの運転席からは、ドライバーは上から見下ろすような形になり、一般車と比較して、路面がよく見えるため、車間距離を長く感じてしまうことがあるのです。
無意識に車間距離が短い状況になってしまうのです。
トラックドライバーもこういった事情をよく理解することが大切です。
トラックの車間距離は短いの?【まとめ】
トラックとの車間距離が短く感じる現象は、トラック自体の大きさと形状によるミラーに映る見え方に起因します。
この視覚的な錯覚を理解し、適切な車間距離を保つように走行することが重要です。
通常トラックが故意に煽ってくるわけではありませんが、中には悪質なドライバーもいます。
例えば、加速しても後ろにピタリと付けてきたり、明らかに低い速度で塞ぐように走っている要な場合です。
そのようなトラックに出くわした場合は、なるべく距離を取って関わらないようにしましょう。