社会のIoT(Internet of Things)化が進み、自動車も例外ではなくなっています。
特に、自動車の電動化が進む今後は、自動車版DXもますます進むでしょう。
自動車の電動化に熱心な欧州に根ざすアウディは、そうした流行に敏感な自動車メーカーの1つです。
アウディでは、WiFiを活用した独自システムの開発を進めています。
しかし、どんなシステムもそうですが、導入初期にはトラブルが付き物です。
アウディの車両に搭載されたWiFiも、その仕組みが複雑で繋がらないなどの声を聞きます。
今回は、車載WiFiの通信料やパスワード管理といった基本事項も確認しながら、アウディ特有の注意点も見ておきましょう。
Contents
アウディ搭載のWiFiの通信量と仕組み
アウディは、Audi connectと呼ばれる独自のネットワーク機能を搭載しています。
仕組みがやや複雑で、日本では繋がらないと言うよりは繋げられないといったトラブルが散見されます。
そもそも車載WiFiの仕組みとは?
車載WiFiとは、要するに自動車がWiFiスポットになるということです。
たとえば、日本の自動車メーカーですと、日産のNissan ConnectはNTTドコモと連携しており、通信データ量が無制限となっています。
こうした車載WiFiが日本で一気に普及したきっかけは、リモートワークの需要を増やしたコロナ禍です。
2021年末にはスズキが車載WiFiを導入し、軽自動車メーカーも含め、日本の自動車メーカーはほぼ車載WiFiを標準装備させるようになりました。
国産車の車載WiFiと通信料
国産車の車載WiFiの通信料も、簡単に見ておきます(2023年10月末現在)。
注目されるのは日産のNissan Connectで、通信データ量が無制限であることもあり、通信料はやや高めの月額1,650円となっています。
トヨタのT-connectの場合、WiFiに接続できるモバイル機器は最大5台で、通信料の月額は1,100円からとなっています。
ホンダのHonda Connectですと、購入時から12ヶ月間は通信料無料、その後は1GBあたり330円という従量設定になっています。
車載WiFiはあまり使わないというユーザーにもやさしい通信料設定であるほか、新車だけでなく中古車の購入時にも無料期間が適用されるのは大きな魅力です。
その他の自動車メーカーは省略しますが、プランは多岐にわたります。
アウディ搭載のWiFiの通信量と輸入車の事情
Audi connectは、最大でモバイル機器8台まで接続できます。
プランは2年更新で、2年間の通信料が3万6千円ほどですから、月額は1,500円ほどです。
ちなみに、メルセデス・ベンツでは、車載WiFiのルーターを3万3千円ほどで購入してもらったうえで、NTTドコモのプランを契約してもらうため、日産車と同じく通信料は月額1,650円となります。
他方で、2022年の話ですが、やはりNTTドコモとBMWが提携を発表しました。
内容を簡単に言えば、特段の契約や設定を要することなく、ユーザーが車載WiFiを含む通信システムを利用できるようにする計画です。
月額利用料550円のほかに通信料が別途かかりますので、一概には言えませんが、輸入車の車載WiFiをめぐっても価格競争が起きる可能性もあります。
ちなみに、1つの注目点として、2023年末でAudi connect Navigatorが終了します。
Audi connect Navigatorは、24時間365日、専任オペレーターが施設検索等を受け付け、その検索結果をMMI(アウディ独自のカーナビ)の画面に転送することもできるというサービスでした。
さすがドイツの高級車らしいサービスでしたが、やはり日本の風土には合わなかったのでしょうか。
いずれにしても、こうしたプランの変更で、料金設定がどうなるかは注目されます。
アウディ搭載のWiFiを快適に使うために
先ほど少々触れた、アウディ独自のMMIも、日本のカーナビに負けず劣らず、多機能化の一途をたどっています。
それに比例して、わかりにくさも増していると思われます。
アウディが推奨する使用方法
Audi connectが日本にも導入されたのは2013年ですが、2008年以降の車両であればAudi connectを後付けできるサービスが展開されています。
後付けの場合、Audi Data Plugを購入する必要があり、価格は税込で4,840円となっています(2023年10月末現在)。
その後、Audi IDとmy Audiアカウントを作成することになりますが、Audi connect plug and playというアプリのインストールが必要です。
さらに、iPhoneであればCarPlay、AndroidであればAndroid Autoをインストールします。
最後にOSは、iOS 14以上か、Android 6以上に対応しています。
WiFiが繋がらない時は?
ここまで見たように、Audi connectは、便利ではありますが、複雑な仕組みで成り立っています。
繋がらない場合、最初に確認すべきなのは、お持ちのモバイル機器に問題がないかということです。
先ほど確認した一連のアプリがインストールされているかはもとより、WiFi電波が飛んでいるかなど、モバイル機器の画面をよく確認しましょう。
また、言うまでもありませんが、IDやパスワードは丁寧に入力しましょう。
それでも繋がらない場合に、初めて通信障害ということになります。
もし走行中にのみ繋がらないとか、エンジンを駆動している時のみ繋がらないという場合はWiFi電波が影響を受けている可能性があります。
この場合は、専門店へご相談いただく方がよいでしょう。
ただ、使用方法が間違っている可能性もありますので、取扱説明書は熟読することをおすすめします。
トラブルを防ぐためにすべきこと
最後に、社会のIoT化が進むにつれて懸念されているのは、個人情報の漏洩です。
すでに見た通り、Audi connectを使用するに際しても、アプリやWiFi接続等において、IDやパスワードが複数回必要になります。
面倒になる気持ちはわかりますが、IDやパスワードは別個のものを使用しましょう。
特に、自動車は日常的に使用することに加え、電波を飛ばしながら様々な土地へ移動することになります。
そのため、情報を抜き取られる危険性も高まります。
最初に設定すれば面倒な入力は省略できる場合がほとんどですので、ぜひともIDとパスワードは個別化し、厳重に管理しましょう。
アウディのWiFiと通信料は?仕組みやパスワード等繋がらない時の対処法!【まとめ】
今回は、アウディのWiFiが繋がらないといったトラブルがあると聞いたため、その仕組みと通信料といった基本事項から確認しました。
近年は、海外でも日本でも、自動車をWiFiスポットとして活用する方法は一般的となり、自動車の機能を遠隔操作することも当たり前になりつつあります。
特に、若者も顧客として認識してきたアウディは、その動きが早いです。
しかし、それだけ仕組みが複雑となり、繋がらない、あるいは情報の漏洩といったトラブルの可能性も高まっている状況です。
くれぐれもIDやパスワードの管理といった基本的マナーを守りながら、便利なカーライフを実現したいものです。