アウディはフォルクスワーゲン・グループの傘下企業です。
同グループの中では高級車の製造を担っていると言われてきました。
しかし、高級車の市場規模は世界的に縮小しています。
また、若者の車離れは欧州でも同じで、若者受けするリーズナブルな車種の投入はアウディの課題でした。
そこで2016年(日本では2017年)に投入されたのが、コンパクトSUVのQ2です。
そんなアウディ・Q2は壊れやすいという評判を聞いたのですが、本当なのでしょうか?
今回は、アウディ・Q2の特徴を改めて整理し、壊れやすいという評判の原因を探ります。
そのうえで、壊れてしまう原因と対策について、改めて確認しておきましょう。
Contents
アウディ・Q2って、どんな車?
アウディ・Q2は、小回りのきくコンパクトSUVです。
新車価格も、アウディとしてはかなり低く抑えられています(最近は上昇傾向ですが)。
SUV全盛の時代に、若者をターゲットとして投入された背景がよくわかります。
アウディ・Q2に搭載された最新技術
アウディ・Q2は、ただリーズナブルなだけのコンパクトSUVではありません。
日本で2017年4月に発売された初代モデルから、衝突軽減システムであるアウディプレセンスフロントやアダプティブクルーズコントロールが標準装備されていました。
また、アウディ独自のインフォテインメントシステムであるMMI(Multi Media Interface)も当初から完備されています。
2022年5月発売モデルを見てみると、MMIに加えて、Audi connect、アウディスマートフォンインターフェイスなど、インフォテインメントシステムは強化されています。
このように、リーズナブルなコンパクトSUVとはいえ、アウディ自慢の最新技術がふんだんに盛り込まれています。
アウディ・Q2のパワートレイン
アウディ・Q2には、ガソリン車とディーゼル車の2種類が用意されています。
日本の多くの方は、まずこの事実に驚くかもしれません。
日本では、ディーゼル車と言えば振動や騒音が大きく、排気ガスも汚いと考えられているからです。
そんなディーゼル車が、環境先進国であるはずのドイツ(もっと言えばEU)の最新自動車に搭載されているわけです。
実は、アウディを擁するフォルクスワーゲン・グループは、TDIと呼ばれるディーゼルエンジンを、次世代エンジンの切り札として重点的に研究・開発してきました。
ディーゼルエンジンは、温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の排出量だけに着目すれば、ガソリンエンジンより環境にやさしいという側面があるため、欧州では意外と人気なのです。
アウディ・Q2は本当に壊れやすい?
アウディ・Q2にはディーゼル車もあるという点を押さえることが、今回のテーマにも深く関わってきます。
と言うのも、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べれば故障しやすいと言われており、メンテナンスが重要となるからです。
日本では、軽油の安さが決め手となってディーゼル車を選ぶ方も多いと思いますが、粗雑に扱えば壊れやすいのは当然です。
アウディ・Q2の弱点とは?
アウディ・Q2が壊れやすいとしても、いったい何が壊れやすいのかという疑問もありますが、ここではパワートレイン系統の故障と捉えておきます。
アウディ・Q2が本当に壊れやすいとすれば、原因は2点ほど考えられます。
1つは、先に述べたディーゼルエンジンの弱点が、そのまま原因となっている可能性です。
ディーゼルエンジンは、確かにCO2の排出量こそガソリンエンジンより少ないですが、人体に有害な物質は、むしろたくさん排出します。
特に、暖房器具の煤(すす)にも例えられるPM(粒子状物質。PM2.5が有名です)は空気を直接汚すだけでなく、エンジン内にも堆積するため、ガソリンエンジンより故障しやすくなる原因となります。
もう1つは、ターボエンジンであることが原因という可能性です。
ターボエンジンは繊細な構造で、ディーゼルエンジンの単純さとは違った意味で壊れやすい可能性があります。
アウディ・Q2が壊れやすいと感じる原因
自動車メーカー各社は、環境規制の厳格化もあり、エンジンの改良に日々しのぎを削っています。
評判が瞬時に拡散する現在、わざわざ壊れやすいという評判が立っているエンジンを、原因も探らないまま放置するわけはありません。
ただ、ディーゼルエンジンがガソリンエンジンより故障する「確率」が高いのは事実です。
ですから、アウディの車種、もっと言えばTDIエンジンを搭載するフォルクスワーゲン・グループの車種であるほど、壊れる「確率」が高まるとは言えるかもしれません。
単純な数学の応用ですが、ディーゼルエンジンかつターボエンジンを搭載した車種が多いとすれば、それだけ他のメーカーより相対的に、壊れやすい車種が母集団として増えるからです。
しかも、アウディは日本では輸入車ですし、そもそも日本ではディーゼルエンジンの自家用車が珍しいという事情があります。
さらに、日本には寒冷地も多いですが、ディーゼルエンジンは寒冷な環境に弱いのです。
これら一連の条件がそろい、日本ではアウディ・Q2が壊れやすいという「印象論」に拍車をかけたと考えられます。
アウディ・Q2を長持ちさせる対策
エンジンの仕組みや燃料を問わず、とにかく大切なのはメンテナンスです。
正直なところ、21世紀もだいぶ過ぎた現在、メーカーを問わずエンジンが故障するという事態はよほどのことです。
最新技術を貪欲に追求しているアウディの車種であれば、なおさらです。
ですから、もし故障という憂き目にあった場合は、故障の原因をしっかり把握し、対策を行いましょう。
特に日本の場合、安価な軽油で走れるということでディーゼル車を選ぶ方も多いと思いますが、メンテナンスを怠るとかえって高くつきます。
アウディ・Q2も、新車価格に限ればディーゼル車の方が高くなっています。
前述した通り、ディーゼルエンジンにはPMが溜まりやすいので、洗浄が欠かせません。
とりわけ、DPFと呼ばれるPM除去装置の洗浄は必須となります。
アウディ・Q2は壊れやすいって、本当?その原因と対策を再確認!【まとめ】
今回は、アウディ・Q2は本当に壊れやすいのかという問題を、冷静に再検証しました。
結論をまとめれば、ディーゼルエンジンかつターボエンジンを搭載した車種である限り、故障する「確率」は高まります。
しかし、それはアウディ・Q2に限った話ではないということです。
おそらく、日本特有の環境に加え、アウディ・Q2のオーナーに若い人が多いことも原因である可能性があります。
自動車のメンテナンスには費用がかかりますから、どうしても若い人はおざなりになってしまうからです。
せっかくアウディ・Q2を手に入れた方は、メンテナンス費用を惜しまないようにすることこそ、結果的にはコスパの改善にもつながることを再認識しましょう。